難燃性(自消性)導電布
E-9212
不要輻射電磁波の遮蔽のニーズは、デジタル装置搭載機器のクロックの高速化によることと、コンピューターの情報漏洩防止や誤信号の元の不要電磁波の侵入の阻止のため、インテリジェンス・ビルの新築やメンテナンスにおいて、拡大されつつある。
特に、無線通信の周波数の有限問題がクローズ・アップされてきた。例えば、オフィスビルの階層と部屋間の輻射電磁波の遮蔽(シールド)を要するようになっている。
E-9212は、建造物に於ける不要輻射電磁波(EMI/RFI)対策を成し得るために開発された、難燃性、フレキシブル性、端末のほつれ無く裁断できる、高シールド効果のある導電布である。
1 特長
① 難燃性(自消性)である。消防法に合格しうる品質である。
JIS-L-1091 A1法およびA4法による試験結果での残炎時間は、いずれも0秒であ
る。
② フレキシブルであるので、使用できる対象形状がフリーであり、貼った後から端末の反りによる剥離がない。
③ 切断を糸の解れの無い状態に、容易にできる。
④ ホチキス、(HD-10DF)、ガンタッカや導電糸で、容易に縫製、加工ができる。
⑤ 導電性両面粘着テープ(例:T224)の利用で、通電的に貼り付けができる。
⑥ めっきの剥がれがほとんどなく、電子機器などの使用時に安全性がある。
⑦ 金属製メッシュに比べて、高シールド効果である。
⑧ 軽量である。
⑨ 安価である。
2 品質
① 布の素材 : 合成繊維(モダクリル)、
(アクリルと塩ビの合成系で織られている)
② 難燃性 : UL94VTM-0
③ めっき付着量 : 銅…15g/m2、ニッケル…3.5g/m2
④ 重量 : 133gf/㎡
⑤ 厚み : 0.23mm
⑥ 直流電気抵抗値 : 縦糸方向…0.10Ω/□、横糸方向…0.30Ω/□
3 用途
① 建築の天井、壁部位の不要輻射電磁波の遮蔽
② 信号ケーブルの不要輻射電磁波の遮蔽
③ 輻射電磁波の遮蔽用カーテン
④ 携帯用シェルター、シールド用テント
⑤ 衛星放送用パラボラ・アンテナの電波反射用
⑥ シールド型エプロン
4 荷姿
標準品:幅100cm x 長さ200m
小巻き:幅100cm x 長さ20m
5 難燃性
UL QMFZ32(component-plastics)での燃焼試験での94VTM-0に合格しうる自己消火性がある。また、JIS-L-1091 A1法およびA4法で残炎時間を測定したところ、いずれも0秒であった。
6 遮蔽効果
MIL-STD-285に準拠して、遮蔽効果を測定したところ、平面波で40~60dBある。E-9212の遮蔽効果は図1のとおりである。また、図3に示すホチキスによる縫い合わせた部分の遮蔽効果は、図2のとおりで、その損失はなく、シールド効果は十分です。
図1.E-9212のMIL-STD-285に準じた遮蔽効果データ
図2.E-9212を図3のように10cm間隔に縫製した部分でのMIL-STD-285による遮蔽データ